ちあきなおみ

日曜美術館というNHKEテレの番組で画家の中島清之のちあきなおみを描いた”渇采”という絵を見た。
真っ赤なドレスを着、左手を肘から先を上に向け”いつものように幕が開き”と歌っている場面だ。
後ろに銀紙を張り付けた演奏家陣がいる。
この”渇采”がヒットし暮れの紅白で歌われたのは私が20才の時だったのを覚えている。
なぜ良く覚えているのか、スケートをしに行くためバスで大勢で出かけたその時に女の子が物真似で歌った渇采に感動してしまったのだ。
なんだか人の心にどんどん勝手に入り込もうとするような感じがしていて、今までのはやり歌とは違っていた。
が、今思い出した。
その引退する前に全国ツアーで私も同行したんだった。
純粋にちあきなおみコンサートで回った。
全くもってこの時の記憶はあまりない。
ただ小さな音静かなサウンドを求められたのはよく覚えている。
その後いろいろな歌手の伴奏をするが、いろんな歌手がちあきなおみのカバーをしていた。
おそらく30代の私はガキで彼女の歌の本当の良さを理解できてなかったんだろう。
やはり渇采だけは何か特別な感じがしていた。
パートナーを失ったちあきなおみは歌詞のように、悲しみをかかえて尚且つ恋の歌を歌うことはもう2度としなかった。