映画最強のふたり

最強のふたりという映画を観てきた。
フランス映画で首から下の障害がある金持ちの主人公と介護することになった貧しい黒人との絆のお話。
映像もよく、二人の演技もよく楽しめました。
印象的なのはちょい悪な黒人の奔放さと自由さだった。
また面接時に画家やクラッシック音楽家の名などを問われていると、KOOL&THE GANGは最高だなどと笑わせてくれる。
EARTH WIND&FIREの”SEPTENBER”が軸になっていて、途中のDANNY HATHAWAYの”GHETHO”なども。
この”SEPTEMBER"は知らないTAKEだった。
DANNY HATHAWAYのも聞いたことがないTAKEだった。
もしかしたら最近の人がリメイク、リミックスしたものかもしれない。
そしてこの映画用に作られたであろうピアノのシンプルな曲も印象的。
つまり音楽のセンスが私と非常によくにている。
美しいシンプルなメロディーにギターのアルページョのような分散和音、おそらくスタンウェイのグランドピアノフルコンサートであろう音色。
思いっきりクラシカルな部分とアメリカ黒人音楽との対比。
主人公二人の違いを音楽でも表現している。(ヨーロッパの伝統と今風の対比)
久しぶりにアースを聞いた。
実はここのベースのバーダインホワイトは昔お気に入りの一人だった。
フェンダージャズベースで軽い音で重たいリズムを出している。
ところが私がいいと思っていたベースの音はステージ裏で弾いている人のものだった。
ライブではバーダインは踊りながらパフォーマンスすることに忙しく弾いていない時もあの音が出ていた。
(或いはこの時代のライブはカラオケでも流して口パクならぬ弾く真似だったのかも)
一時期逆黒人差別になった時代を思い出す。
黒人のリズム以外受け付けないという時期。
ベースでいえばチャックレイニー、ゴードンエドワーズ、アンソニージャクソン、ウィリーウィークス、ロバートポップウェル、ゲイリーキングなどなど。
そこから脱却できたのはピアノのビルエバンスや白人であるカエタ―ノヴェローソなどを聞くようになったからだ。
私が黒人になれるわけではないということにやっと気ずいた。
特にカエタ―ノは白人でブラジル人でホモセクシュアルで尚且つオリジナルな人だ。
黒人音楽を追っているだけでは私の存在価値は見出せないということにい気がついた。
この映画で主人公の誕生日のパーティーでクラッシックのオーケストラが入り、最後にリクエストにこたえる形でさまざまな曲を演奏するが、最後に自分のアイパッドでアースをかけて、黒人青年が踊りだす。そして皆踊りだす。
カッコイイ。解放されている。
一番のハイライトかもしれない。
が、彼と同じことを同じ土俵でやっても勝てることは何もない。
(その前にあんなカッコいいことはできやしないが。)
私は私であるべきで日本人としての魅力(あるかどうかは分からないが)を発揮するべきだと、いまさらながら思う。
触発されたイイ映画でした。