ビルボード 東京

GRAHAM CENTRAL STATIONを見てきた。
ブ―ツィ―コリンズまでは派手ではないが、白い燕尾服風の銀のきらきら衣装に、同じ生地に鳥の羽根をあしらった帽子。
ドラムセットの両脇に大きな冷蔵庫風ベースアンプ2台、ステレオだ。
おそらく、どちらかがエフェクター専用で片方は生音用と推測。
AGUILLERというニューヨークのアンプ。
これを最初に使ったのはパティトゥウィッチだったか、10年以上前、ロイへインズのトリオのライブでウッドベース用に使用していたが、とてもイイ音だったので覚えていた。
去年のエスぺランサもこのベースアンプだった、当然この箪笥のようなものよりずっと小さなもの。
アメリカから持ってこないだろうから、今やリース屋においてあるということか。
ラリーグラハムは1946年生まれの今年68才になる。
顔色も血行もつやもあり、若若しく相変わらずパワーフルで圧倒的なステージだった。
リハーサルもたっぷり積んでいて、こなれた完成度の高いショーを見せてくれた。
MOON製のジャズべでボディ―からボーカルマイクが生えているいつもの楽器。
大きな楽器なのだがラリーが担ぐと小さな楽器に見える。
ちょい遅めにアレンジされたTHANK YOUから始まった。SLY&FAMILY STONE時代の古い曲だ。
ロシア系と見える大きな女のボーカルが登場し、あおりまくったのでのっけからSTANDING.
ラリーはステージに上がるなりアンプに近ずきつまみを右にぐいっと回した、両方とも。
その結果サウンドの8割はベースサウンドとなり、ワイルドでファンキーなのだが、こま目に踏むエフェクタースィッチ。
どんな変化がきたのかあまり分からない。
客の中にベースを担いだ人達が何人かいたが、ラリーグラハムを見てもあまり参考にならないのではないかと思う。
演奏のクオリティーも高く、リズムも当然いい、しかもリードボーカルをとりダンスまで。
弾く楽器は当然ながらとてつもない難易度だ。この黒人独特のグルーブは演奏だけでも真似できない。
ロック色が強いのがお気に入りで、DISTORSHIONも多用していた。これは昔から全く変わらない。
チャカカーンが好きという女ボーカルはルーファス時代のチャカカーンのこれまたロック色の濃い曲で盛り上がった。
その曲でベースを弾いたキーボード奏者は驚くほどうまかった。
この手のショーは着飾ったすっ飛びねーちゃんが踊りまくり、恥ずかしげもなくノルのが定番。
ふと見ると一番盛り上がっていたのは一緒に行った私の妻でした。
一緒にライブに行くというのは何年ぶりだろうか。
心底音楽により解放されてとても楽しそうだった。
そんな彼女の幸せそうな顔を見てまた私も嬉しかった。
おしまい。