夜中の妖精

浅田真央選手のフリーの演技を見た。
SPでは失敗しどん底からのリンクだった。
しかしながらどうだろう、彼女がリンクへ出た瞬間おそらくその美しい姿に世界中の人が息をのんだであろう。
彼女自身はこれほどまでに自分のことを可憐だと世界中の人々が思っていることに、気付いていない。
欧州系のパワーあふれる滑りと違って、なめらかで繊細でいかにも日本人的な滑りだ。
失敗したことに関しては、それまでにたくさんの人がいる。
例えばスピードスケートのダンジャンセンがそうだ。
金メダル最有力候補にあげられながら、オリンピック直前に白血病で姉を亡くし、レースでは500も1000も転倒。
その後も上手く行かず4回目のオリンピックの1000Mでようやく金メダルを取った。
今回のソチで輝いたジャンプの葛西は7度目にして、41才にして初めて個人のメダルを取った。
オリンピックとはそういうものかもしれない。
話は違うが、かのエリッククラプトンは初めて、アイドルだったB・B・KINGのステージで一緒にあげてもらい”弾いてみろ”と言われ、ぼろぼろになった。ミストーンありのひどいプレイだった。
(おそらくYOUTUBEでまだ見られる。)
その時も思った。こいつはイイ奴なんだと。
日本人だけが本番に弱いわけじゃない。
真央ちゃんはきっと、イイ人間なんだと強く思う。
世界でただ一人だけのトリプルアクセルを飛び8回もトリプルを飛んだ。
優雅な静かな流れるような滑りは本当に素晴らしい。
終わった直後のまるで幼子がべそをかくような泣き顔は、あなたを天使だといった、亡くなってしまったお母さんが正しい。
あなたは今回でやめるつもりらしい。
胸を張っていいんだよ。
これ以上頑張らなくていいんだよ。
NHKスペシャルで見た、曲を決めるためアメリカへ行きリンクで滑るあなたを見た現地の人が、あなたは天から降りてきた特別な人だと。
わたしは感動して泣いていると。
今朝の演技を見て世界中の人が感動したはずだ。
それだけが唯一本当のことだ。
まず解放されてください、重荷を下ろして楽になってください。
私達はあなたを責めたりは絶対しません。
世界一の浅田真央ちゃんへ。