バッハ無伴奏チェロ曲

言わずと知れたパブロカザルスによって世に引き出されたバッハの名曲集。
バルセロナの楽器店で譜面を偶然見つけ、小躍りせんばかりに喜んだという。
私も少し、ベース用にアレンジして弾いている、私のCDでも最後にDmのPraludiamをコントラバスのピッチカートで弾いている。
もうカザルスの演奏は何回ぐらい聞いたのだろう。
2,3年前ツアーで四国にいた、愛媛県今治市だと記憶している。
造船で栄えている街だ。今治の名は高校野球でも知っていた。
OFF日を含めて、今治を拠点にして、5日は滞在しただろうか。
移動中はなかなかできないのが洗濯、ホテルに隣接するイーオンの敷地内にコインランドリーを見っけ。
そして洗濯、といってもお金を入れて小一時間待つだけ、あとは脱水、乾燥までやってくれる。
その待ち時間に同じ敷地内にあるタワーレコードへ、時間つぶしに。
観ているうちにパブロカザルス演奏セット10枚CD1800円を見つけ即買い。
よく見ると印刷のカザルスの生没年が100年まちがっている、1896年没なら音源などあるはずがない。
やったーと叫びレジへ直行。
旅の最中なので重いし少しためらったが普通なら一枚の値段、買わなきゃそんそん。
それ以来朝のBGMとしてCDプレイヤーに吸い込まれることが多くなった。
必然的に1、2のバッハを聞くことがが多い。
(後は3、4はブランデンブルグ、5,6ベートーベン、7モーツアルト、8シューベルト、9ブラームス、10エドガー、ドヴォルザーク。)
しかしである、私の高校時代の友人、牧野氏からずいぶん前にもらった何枚かのうちの一つに、エンリコマイナルディーというチェロ奏者がいる。この人はイタリア出身。
やはりバッハの無伴奏を弾いている。
カザルスの華麗で美しい表現とは正反対のぼくとつとした、淡々とした演奏である。
これが実にいい。
シンプルでいて情感が伝わりこんなイタリア人もいるのかと恐れ入る。
カザルス一色のバッハによく挑んだものだ。
淡々としている中でも口下手な田舎のお父さんのような誠実さと力強さを感じる。
一番の違いはリズムである。
カザルスは大きくリズムをとることによって、センテンスがながくなっているが、エンリコはほとんど一音ずつ弾き続けることによって全体像を浮かび上がらせる。そのリズムの違いは相当違う。
時々こうして聞くことによって、独りよがりな表現になりがちな自分への戒めとしている。
今日は銀座MUGENでライブ。
今夜も楽しい演奏が出来ますように。