ながら族

若い頃から我々世代はながら族だったんじゃないだろうか。
試験勉強しながらラジオ聞く。
本読みながら音楽を聴く。
歩きながらタバコ吸う。
特に本読みながら喫茶店で時間使った。
吉祥寺にもJAZZ喫茶がたくさんあり、老舗のFUNKYをはじめいろいろあった。
新宿もまたPIT INやDIG ,DAG,歌舞伎町の木馬などコーヒー一杯で1,2時間は当たり前。
そのうち本を読めなくなり、音楽も聞けなくなる瞬間がある。
当時最先端のFREE JAZZのディスクをかけるのだ。
オーネットコールマンがヴァイオリンをギリギリ弓で鳴らしたり、FREE JAZZのSAX PLAYERがほとばしる感情をむき出しのSOLO.
それらがかかると、たいがいの人は席を立ち、会計して出ていく。
客入れ替えの術也。
しかしそれがかかるのをひそかに待っている奴もいる。
世の中なかなか面白い。
新宿の町中のいわゆる喫茶店は、人間工学的に長時間座れないように作ってあったらしい。
そういえば小さな椅子、小さなテーブル、狭いスペース、リラックスは出来そうもない。
ながら族は今でも続いている。