あるドラマーの死  

憂歌団のドラムを叩いていたS氏が亡くなった。
年は一つ下。
一世を風靡した、ブルースといえば憂歌団という時代があった。
死因は自殺かもと新聞で読んだ。
初老性鬱症候群ではないのか、と最初に頭によぎった。
景山民夫加藤和彦などもそう推測されている。
才能がありまたそれなりの実績もあり、そういう部分では同じかもしれない。
才能がありそれを維持し継続することはとても大変だろう。
一度頂点を極めてしまったらさらに大変になるだろうことは想像できる。
残念ながら無名で、世の中の片隅でいまだに生きている身にとっては崖から落とされるような思いはわからない。
が、想像はできる。
売れることにより、自分の名前を書いた看板を背負いこむことになり、風雨、風雪に耐えなければならない。
ある意味政治的な判断を迫られ尚且つ常に前を向いていなければならない。
評価のプラスもマイナスも、いわれなき理不尽にも負けないだけの、精神を持っていなければならない。
私は還暦をむかえた今、あえて流されず、じたばたしながらあがき、抗うことを決めている。
まだまだ上達し、もっと音楽のことがわかるのだと、あえて勘違いしながら生きて行くのだ。
人の死が身近になった今こそ音楽をしよう、体の隅々まで音楽を!