ポピュラリティー 考 7

私は今でも時々ベースを教えている。
頼まれればだが。
数年前、フランス人を教えた。
彼は東工大に留学していて、今までROCKをやっていたがJAZZ BASSを教えてほしいと。
余談だが彼のガールフレンドは中国人で、会話は共通の日本語だという。
そして我が家へ来た。
彼だけではなくJAZZを教える時には、いつもきまって言っていることがある。
1、JAZZとはリズムである。黒人の持つ独特の、SWING感である。
1、JAZZとはBLUE NOTEである。
この二つをマスターすれば弾けるようになる。
ではSWINGとは何か、BLUE NOTEとはなにか、と実際に弾いて聞かせる。
そしていくつかの譜面を出して、これが弾けるようになるまで練習できれば、あとは一人でできる。
SWINGすることはフランス人も苦手なようだった。
タテノリに近い8BEATは1拍の長さに厳密でなくてもそれなりに聞こえる。
しかし4BEATとなるとそうはいかない。
本当の意味でのスピードが要求される。
それを弾きながら客観的に判断できるようになるには相当の時間が必要だ。
それに付き合う暇は私にはない。
故にBASS講座は2から4回でおしまい。
SWING、とBLUE NOTEを理解できるようになるまで練習しなさい。
スケール、JAZZ理論、PRACTISE、などを教材作りながらやれば商売になるだろう。
が、SWINGすることは教えてできるわけではない。
BLUE NOTEの使い方もまた同じ。
だから最初に本質を教えトライしてくださいと、本当のことを教えている。
なかなか本質を教えてくれる人はいない。
あとはおすすめの音源をいくつか書いて渡す。
出来れば古いJAZZを聞きなさいと。
もうひとつ大事なのは、野蛮な表現だ。
50年代のレコードはどれを聞いてもそれがある。
ドミソと鳴っている時に、ミフラットと歌うのはクラシックではミストーンでは?
そんなかっこいいことをアメリカ黒人達はやり始めたのである。