世界の果ての通学路

新宿武蔵野館でこの題名の映画を見てきた。
武蔵野館と言えば40年位前だろうか、このビルの上の方(確か5階)にディスコがあった。
そのディスコを会場に当時絶頂にあった TOWER OF POWERのライブがあった。
私はなぜだかそこに行った。
先日行ったRALLY GRAHAMもオークランド出身。
(RALLY GRAHAMのブラスアレンジはほとんどがTOWER OF POWERによる。)
当時音楽がどんどん変わってきていて、単純なリズムと和声から、より複雑なものへと進んでいた。
BASS ロッコ プレスティア
DR  デビッド ガルバルディ
オルガンにはチェスタートンプソン
もともとT OF PはオークランドダウンタウンのナイトクラブBAND。
(日本ではハコバンといっていた。)
そのライブを見に行った時の一番の印象は今でも覚えている。
チェスタートンプソンのオルガン(ハモンドB3)の足鍵のすごさだった。
私が両手で弾く何倍もの情報を左足だけで弾いてしまう。
ここまでレベルが違うと、よーし明日からがんばるぞ―、とはならない。
T OF Pは所謂16ビートの在り方を示した。
実にタイトなリズムでさまざまな曲を残した。
その武蔵野館。
並んでいた。1,2,3、と教室のような部屋が三つある。
そのT OF P時代は1階でチケットを買いエレベーターで上へ」、というシステムだった。
なんとか時間も間に合い着席。
近頃はシニアーでと言わなくても、証明書を見せろとも言わず、無言で千円札を受け取り切符を渡してくれる。
映画はとても良かった。
ケニアのサバンナを象に注意しながら15キロ、妹を連れ通うジャクソン。
360度誰もいないパタゴニア平原を馬に乗って妹と通学する、カルロス。
ロッコの険しいアトラス山脈を越えて、友達3人と通学するザヒラ。
インドのサミュエルは障害がある、古い車いすを弟二人で押して学校まで行く。
途中トラックがエンコしている。
大人達がサミュエルを車いすごと持ち上げて、道に戻してくれる。
近道だと川に押し入り、喧嘩しながらも、タイヤが壊れようが兄の車いすを押していく。
とうとうタイヤが外れ、街で修理やを探し直してもらう。
その大変な時でも兄弟で頬を寄せ合い遊んでいる。
やがてどの子も学校にたどり着く。
みんな澄んだ目を持っている。
学ぶことで人生を切り開こうとしている。
ケニアのジャクソンは最後に、英語で答えていた。
パイロットになりたい。
そして空から湖や高い山々を見てみたいと。
イイ映画を見た。
私は手の甲で涙を静かに拭った。