ポピュラリティー 考 10

私はこのブログのポピュラリティー考3でも述べたように、BEATLES世代である。
つまり私にとっての音楽とは歌付きが基本になる。
器楽的なJAZZは本当は一番遠い。
BEATLESのLOVE SONGを歌った時代以降、楽器の修練に時間を掛けた為しばらく歌っていなかった。
私のCDを制作する段階でもラブソングはちょっと、と感じていた。
だから恋愛ものは作っていないし、うたっていない。
最近は昔嘘くさくて歌えなかったLOVE SONGを歌っている。
今ならわだかまりなく歌えそうだ。
MUGENでも、何曲か歌った。
WHAT A WONDERFUL WORRLDなどは、この世賛歌になっていて本当に素晴らしき世界を歌っている。
ただ私としては、あのルイアームストロングが歌ったことに意味があり、ヒットしたことにも意味があると思っている。
何故ならば、彼はニューオリンズからミシシッピーを北上し、シカゴ、ニューヨークと求めに応じて演奏地域が広がり、ひどい人種差別をうけつつ生活していた。
トイレもレストランもホテルも黒人専用である。
その彼がなんて素晴らしい世界だろうか、そんな風に満面の笑みで歌うのだ。
私はベトナム出征兵士の前でサッチモがこの歌を歌ったその場面で落涙した。
わだかまらず、自分の出来ることをするというそのスタンスにあこがれている。
飲んだビールが5万本!などと植木等が唄う、大法螺吹き的な表現が面白く感じられるようになった。
例えばILOVE YOU と星で夜空に描くのに千回も空を横切った、(TEACH ME TONIGHT)。
例えば君の姿はギリシャ彫刻のようだ、君の唇は小さく、その口が開いて話をする時、スマートだろうか(MY FUNNY VARENTAIN)>
マイルスデイビスサッチモの演奏時の笑顔が白人に媚びを売っていると、ひどく嫌っていた。
俺はああいう風にはなりたくないと、自伝に書いている。
マイルスがJAZZ界に与えた影響は計り知れない。
レコードもどれだけ売れたか分からないくらいだ。
しかし私にとってのポピュラリティーとはWHAT A WODERFUL WORLDの方に軍配が上がってしまう。
きらきら星と4小節同じメロディーのこの曲に魅力を感じてしまう。
これからは様々な、昔好きでも歌わなかった曲を少しずつ歌っていこうと思っている。