微分音

日本音楽コンクール作曲部門(オーケストラ作品)の受賞作
今春国立音大大学院を終え地元北海道八雲町の音楽教師になった白岩さんの作品
調律を4分の1音ずらした2本のフルートが曲をリードするらしい
音のずれや揺らぎにこそ可能性を感じるとご本人
1オクターブを12に割った12平均律に慣れきった耳にはおそらく”気持ち悪く”聞こえるだろう
本来民族音楽レベルでは12平均律はあまりない
日本でも三味線、琴、笛、尺八など(ほかにもあるが変換できないので)幽霊のお化けの音の表現などに使われることが多い、そのため音程は不確かなものが多い(12平均律から見ると)
しかし口頭で伝承されてきた和楽器は”それでなければならない”というほどにきっちりしている
長唄の合いの手に入る三味線のスライドのきいたフレーズや風の音を感じさせる尺八の吹き方やわざわざ駒で調律された琴も駒の外側をチョーキングしたりと、半端な音程を意識的に作り出しているのが邦楽だ
私も琵琶奏者の友人がいるが彼はその昔ジャズギターを弾いていたが”一音必殺”の言葉にギターをおき琵琶を選んだそうだ
琵琶には太いフレットがついているがこれも実はばちで絹製の弦をこすったり叩いたりと音程がはっきりしない
もっと言えばブルースにおけるブルーノートを出す場合ギターだろうがSAXだろうが個性の出る宙ぶらりんの音程がたまらなかったりする
邦楽やインド音楽には和声という概念が本来ない
メロディ―を弾く
合いの手をいれる反発するメロディ―を奏でる
教会音楽と仏教音楽の違いと言うと言い過ぎだろうか(讃美歌と声明の差と言えばいいだろうか)
私の弾くイタリア女やウッドベースの場合は運指がきまっているので12平均律ということになる
普通に弾いている時でも高いだの低いだの気になってしようがないが
上昇時は重たい物が登っていくのにスピードは落ちない
下降時は重たい物が転げ落ちるような感覚がある
そして上昇時は音価が短くなり下降時はブランコで高い所から一気に下へ揺られるような感覚がある
微分音などは正確に出そうとすると大変な作業になる
しかも2本でハーモニーまであるという
それでなくてもピッチは不安定なのにである
以前ご一緒させてもらった”Q”さん曰く”半音ぐらいまではイイだろう?
ダメダメ、一同大爆笑!!